■車の整備におけるマルチメーターの役割
車の電気系統は年々複雑化していますが、マルチメーター(テスター)は今でも整備やトラブル診断に欠かせないツールの一つです。バッテリー電圧の確認、オルタネーターの発電状況、ヒューズの導通チェック、各種センサーやカプラーの電圧確認など、マルチメーターが一台あれば幅広く活用できます。
■車用マルチメーターに求められる機能とは
車両整備に使うマルチメーターには、以下のような基本機能が求められます。
電圧測定機能
DC12V(乗用車)やDC24V(トラック)などの電圧測定は必須です。エンジン始動前と始動中の電圧を確認することで、バッテリーの劣化やオルタネーターの異常を見極めることができます。
抵抗測定機能
ヒューズの断線チェックや、センサーやスイッチの内部抵抗確認に使います。導通ブザー機能があるとより便利です。
電流測定機能
カーオーディオや電装品の消費電流を測ることで、配線容量の適正や漏電の有無を確認できます。電流測定には回路を分断して測定する必要があるため、安全に扱える設計が重要です。
周波数やパルス測定
車速センサーやクランク角センサーなど、信号線がパルス波で出力されている場合に、パルス幅や周波数を測定できるマルチメーターが役立ちます。
■車用として使いやすいマルチメーターの特徴
車載用途で選ばれるマルチメーターには、次のような特徴があります。
直感的に使えるインターフェース
作業中に頻繁に持ち替えたり設定を変えるため、操作性の良さが重視されます。ロータリースイッチやワンタッチ操作が可能なモデルが人気です。
バックライト付きディスプレイ
夜間作業や暗所での測定を考慮し、液晶表示が見やすいモデルが好まれます。作業灯がない場所でも確認が容易になります。
耐衝撃性や耐久性
現場での落下や衝撃に耐える堅牢性があると安心です。ゴムプロテクター付きの筐体が一般的です。
自動車整備士やDIYユーザー向け
プロユースだけでなく、カーDIYを楽しむユーザーも増えており、簡単に使える多機能マルチメーターへのニーズが高まっています。コストパフォーマンスと扱いやすさのバランスが求められます。
■実際の測定事例
バッテリー電圧測定
エンジン始動前に12.6V以上、始動中に13.8〜14.5V程度あれば発電は正常と考えられます。12V未満ならバッテリーの充電不足や劣化が疑われます。
ヒューズの導通確認
ヒューズボックス内の端子にプローブを当て、導通があるかチェックすることで断線の有無が分かります。ブザー音付きのモデルならより効率的です。
センサー電圧のチェック
O2センサーやスロットルポジションセンサーなどの出力電圧を確認することで、ECUが正常に信号を受け取っているかを判断できます。
■注意点と安全性
電流測定は回路を切断して行う必要があるため、誤ってショートしないよう十分注意する必要があります。また、ヒューズの入った電流測定端子を使わないと、内部回路が破損する恐れがあります。
さらに、エンジンルーム内での測定作業では、可動部や高温部に近づかないようにすることが基本です。マルチメーターのリード線も取り回しに注意し、巻き込みや接触による事故を防ぎます。
■まとめ
マルチメーターは、車の診断・整備を効率的かつ正確に行うために欠かせない計測器です。使い方をマスターすれば、日常点検からトラブル診断まで幅広く対応できます。特に車用としての使い勝手や測定レンジ、安全性を考慮して選ぶことで、安心して長く使えるツールとなるでしょう。
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