電流測定とは?
電流測定とは、回路内を流れる電子の流れ(電流)を測定することです。電圧と異なり、電流は回路を流れる量であるため、直接的にオシロスコープで測定するには専用の測定方法が必要です。
オシロスコープでの電流測定方法(OWON製)
OWON製のオシロスコープでは、電流プローブ(クランププローブ)やシャント抵抗を用いて、間接的に電流を測定します。
方法①:電流プローブを使う
■電流プローブを準備
OWON対応のクランプ型電流プローブ(例:OWON CP05, CP10など)を使用します。
■信号入力端子に接続
電流プローブをオシロスコープのCH1やCH2に接続します。
■プローブで測定対象の導線を挟む
クランプ部で導線を挟むことで、流れる電流に比例した電圧信号が出力されます。
■スケールと単位を調整
電流プローブの変換係数(例:1mV=1mAなど)に応じて、垂直スケールを設定します。場合によっては垂直単位をmA表示に換算して読み取ります。
方法②:シャント抵抗を使う
■低抵抗(シャント)を回路に直列接続
例えば0.1Ωなどの精密抵抗を回路に挿入し、その両端の電圧を測定します。
■オシロスコープで電圧を観測
抵抗両端の電圧値(V)を測定し、**オームの法則(I = V / R)**により電流を計算します。
■注意点
シャント抵抗は発熱や電圧降下に注意し、精度と安全性を考慮する必要があります。
■自動測定・カーソル活用
OWONのオシロスコープには、電圧測定と同様にカーソル機能や**演算機能(Math)**を使って、電圧→電流への変換も行えます。
注意事項
■電流プローブの帯域幅や最大測定電流を確認しましょう。
■シャント抵抗法では、グラウンドループに注意が必要です。
■測定時は回路を停止せずにリアルタイム測定できるのがオシロスコープの強みですが、感電や短絡に注意してください。
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