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波形ズームとは
- 2025/6/15 -

波形ズームとは
波形ズームとは、オシロスコープで取得した波形の一部を拡大表示する機能です。時間軸や電圧軸を変更せずに、特定のエリアだけを拡大して詳細に観察できるため、微細な信号変化や異常点の解析に非常に便利です。

主なズーム方式
■ 時間軸ズーム(Horizontal Zoom)
長時間記録した波形データの一部を、時間軸方向に拡大して表示します。記録中の波形全体から必要な部分のみを抜き出して詳細に分析できます。

■ 電圧軸ズーム(Vertical Zoom)
縦方向(電圧軸)に波形を拡大し、小さな振幅の信号を見やすくします。ただし、オシロスコープによっては固定スケール制限のある場合があります。

■ デュアルウィンドウズーム
全体波形とズームエリアを同時に表示できる機能です。メイン画面に全体波形、サブ画面にズーム波形が表示され、対象の位置や関係を視覚的に把握できます。

使用シーン
■ ノイズやスパイクなどの瞬間的異常を詳細に確認
■ シリアル通信波形のビット単位解析
■ 大きな時間スパンの中の特定イベントにフォーカスする場合
■ デバッグや製品検証時の波形検査

操作方法の例
■ タッチパネルでズーム対象を指で囲む
■ ズーム専用ボタンやメニューからズームモードを選択
■ ズームエリアの開始点・終了点をカーソルで指定
■ 拡大率やスクロール位置をダイヤルで調整

メリット
■ 微細な波形変化も明確に視認でき、精密な解析が可能
■ 長時間記録データから必要な部分だけに集中できる
■ トラブル解析や異常診断の効率が大幅に向上する

注意点
■ ズーム表示によって測定精度が向上するわけではない(あくまで視覚的な拡大)
■ 表示可能範囲はメモリ長と取得データ量に依存する
■ 一部の低価格モデルではズーム機能に制限がある場合がある

まとめ
波形ズームは、測定信号の特定領域を詳細に観察するための重要な機能です。ノイズの確認、通信波形の解析、微小信号の検出など、様々な用途で活用されます。ズーム操作に慣れることで、オシロスコープの解析力を一段と高めることができます。

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