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パルストリガーとは
- 2025/6/15 -

パルストリガーとは
パルストリガーとは、オシロスコープのトリガー機能の一種で、入力信号のパルス幅(ハイまたはローの持続時間)に基づいてトリガーを発生させる機能です。特定の時間幅を持つパルスや、想定外に短い/長い異常パルスを検出するのに適しています。

基本原理
■ パルスとは、HighまたはLow状態を一定時間だけ保持する矩形波成分
■ パルストリガーでは、そのパルスの幅があらかじめ設定した時間条件を満たすかどうかを基準にしてトリガーをかける
■ 例えば「500ns未満の正パルス」「100μsより長い負パルス」など、時間による絞り込みが可能

主な設定項目
■ パルスの極性(Positive/Negative):正のパルスか負のパルスかを指定
■ パルス幅の条件:
・=(等しい)
・≠(等しくない)
・>(より長い)
・<(より短い)
・範囲指定(Between / Outside)
■ パルス幅の数値:例)100ns、10μsなど

使用シーン
■ 異常に短いノイズパルス(グリッチ)の検出
■ マイコンやデジタル回路における信号のパルス幅異常の監視
■ タイマーやPWM制御信号の誤動作チェック
■ 通信信号のプロトコルエラー診断

操作方法の例
■ トリガーメニューから「パルス」「Pulse」を選択
■ チャンネル、極性、条件、しきい値、時間幅を設定
■ 条件に一致したパルスだけがトリガーされて波形表示される

メリット
■ 通常のエッジトリガーでは捉えられない一過性のエラーを検出できる
■ パルス幅が設計値から外れている場合に即座に可視化できる
■ システムの誤動作やノイズの原因を解析しやすくなる

注意点
■ サンプリングレートが十分でないと短いパルスを見逃す可能性がある
■ 条件が厳しすぎるとトリガーがかからない場合がある
■ 複雑な信号に対しては他のトリガーモード(バースト、ロジックなど)との併用が効果的

まとめ
パルストリガーは、パルス幅に基づいて正確にトリガーをかけるため、異常検出や品質評価、トラブルシューティングに非常に有効です。設定次第で微細なノイズから長時間の異常信号までを検出可能で、オシロスコープの解析能力を大きく高める機能のひとつです。

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