■ FFTは万能ではない
FFT(高速フーリエ変換)は非常に便利な解析手法ですが、
何でも分かる魔法の機能ではありません。
FFTで「分かること」と「分からないこと」を理解しておくことが、
正しい使い方への第一歩です。
■ FFTで分かること① 含まれている周波数成分
FFTを使うと、
・どの周波数が含まれているか
・どの成分が強いか
を視覚的に確認できます。
これは時間波形だけでは、
ほとんど分からない情報です。
■ FFTで分かること② ノイズの中心周波数
FFTでは、
・電源由来の 50 Hz / 60 Hz
・スイッチング周波数
・高調波成分
がピークとして表示されます。
そのため、
ノイズの発生源を推定するのに非常に役立ちます。
■ FFTで分かること③ フィルタや対策の効果
ノイズ対策やフィルタを入れた前後でFFTを見ると、
・特定周波数のレベル低下
・不要成分の減少
がはっきり分かります。
「効いているかどうか」を
数値とグラフで確認できるのがFFTの強みです。
■ FFTでは分からないこと① 発生したタイミング
FFTは周波数解析のため、
・いつ発生したのか
・どの瞬間に起きたのか
といった時間情報は失われます。
瞬間的な異常や一度きりの現象は、
FFTだけでは判断できません。
■ FFTでは分からないこと② 波形の形や詳細な動作
FFTでは、
・立ち上がりの形
・波形の歪み方
・タイミングのズレ
といった情報は分かりません。
これらは、
時間波形で確認すべき内容です。
■ FFTでは分からないこと③ 原因の断定
FFTで「この周波数がある」ことは分かっても、
・どの部品が原因か
・どの配線から出ているか
までは分かりません。
FFTはあくまで
原因特定のヒントを与える道具です。
■ 正しいFFTの位置づけ
FFTは、
・異常の兆候を見つける
・原因の方向性を絞る
ためのツールです。
FFTだけで完結させようとせず、
必ず時間波形や回路理解と組み合わせて使うことが重要です。
■ まとめ
FFTで分かるのは、
・周波数成分
・ノイズの傾向
・対策の効果
一方、分からないのは、
・発生タイミング
・波形の詳細
・原因の断定
FFTを「万能」と思わず、
使いどころを理解して使うことで、解析の精度が一気に上がります。









