【オシロ・機種選定に役立つ】プローブ選びの基礎(パッシブ vs アクティブ)
オシロスコープの性能を最大限に引き出すには、本体だけでなく「プローブの選定」が非常に重要である。プローブの帯域が不足したり、入力容量が大きすぎると、波形が乱れたり立ち上がりが遅く見えることがある。機種選定と同時に、適切なプローブを選ぶことが測定品質を大きく左右する。
プローブは“延長ケーブル”ではなく測定器の一部
プローブは単なるケーブルではなく、オシロ本体と同じくらい重要な要素である。
プローブ選びが悪いと、以下の問題が生じる。
・高周波成分が測れない
・波形が丸くなる
・ノイズが増える
・立ち上がりが遅く見える
・回路動作に影響を与える
つまり、プローブは“本体の性能を決めるパートナー”と考えるべきである。
プローブの帯域幅:本体の 80%以上が必要
プローブ帯域は、オシロ帯域の 80%以上 を選ぶのが基本。
例
オシロ帯域 200 MHz
→ プローブ帯域は 200 MHz × 0.8 = 160 MHz 以上が必要
→ 実務では 200 MHz プローブが望ましい
プローブ帯域が不足すると、本体が高性能でも波形を正確に測れない。
パッシブプローブの特徴
一般に標準付属しているのがパッシブプローブ。扱いやすく、汎用性が高い。
・メリット
・安価で丈夫
・幅広い用途で使える
・最大入力電圧が高い
・多数のオシロに付属
・デメリット
・高周波では信号が劣化しやすい
・入力容量が比較的大きい(回路へ負荷)
・高速立ち上がり波形には不向き
100 MHz〜350 MHzクラスの一般用途には最適。
アクティブプローブの特徴
高速信号(高速デジタル、RF近傍)ではアクティブプローブが必須。
・メリット
・広帯域(数GHzクラス)
・入力容量が非常に小さい(負荷が少ない)
・高速立ち上がり波形を実力通りに観測できる
・デメリット
・高価
・壊れやすい
・電源供給やケーブル取り扱いに注意が必要
高速通信(LVDS、HDMI、USB 2.0/3.x)やRFの近傍測定に使用される。
1X、10X 切り替えプローブの違い
パッシブプローブでは、1X と 10X で特性が変わる。
・1X
・低周波向け
・入力感度が高い
・帯域が狭い(数MHz程度)
・10X
・高周波向け
・帯域が広い
・入力容量が小さく回路への負荷が少ない
→ 通常測定は10Xが推奨される
高速信号では必ず10Xを使用する。
プローブの入力容量に注意
プローブの入力容量(例:10pF〜20pF)が大きいと、回路に影響を与えることがある。
影響
・高速立ち上がり波形が鈍る
・オーバーシュートが変化する
・共振周波数が下がる
高速回路では入力容量の小さいプローブを選ぶことが重要。
大電流測定には電流プローブを使う
スイッチング電源などでは、電流波形が必要になることが多い。
シャント抵抗より安全で確実に測定できる。
・非接触測定が可能
・電源ラインを切らずに測れる
・過大電流にも対応
AC/DC兼用タイプは実務で特に便利。
まとめ
・プローブはオシロ本体と同じくらい重要な測定要素
・プローブ帯域は“オシロ帯域の80%以上”が基本
・一般用途はパッシブ、高速信号はアクティブ
・10Xは広帯域で負荷が小さく、通常はこちらが推奨
・入力容量が大きいプローブは高速回路に不利
・電流測定は専用プローブが安全で確実









